正しさ

この世に「正解」ってどれだけあるんだろう

 

そもそも「正解」って何だろう

 

机の上のテスト用紙だって

分厚い法律だって

電卓の数字だって

 

誰かが決めた「正解」なんでしょう?

 

鳥が飛ぶことだって

星が輝くことだって

花が美しいことだって

自分が人であることだって

 

きっと「正解」なんてないんでしょう?

 

「正解」なんて必要ないんでしょう?

 

でもみんな「正解」を欲しがってる

 

僕も欲しがっている

 

でも見つからないことも、答え合わせができないことも

 

知っている

 

 

なら僕は、自分の気持ちだけは大切にしたい

 

感じたこと、思ったこと、考えたこと

 

素直な気持ちだけは「正解」にしたい

 

フェルメールを見た感動も

サティの旋律に打ち震えたことも

夜の侘しさに泣いたことも

むせかえる夏の匂いが懐かしいことも

 

誰かを好きになったことも

誰かのために泣いたことも

 

「間違いだった」なんて寂しすぎるから

言葉

言葉にならない 言葉にならない

言葉にならない 言葉にならない

 

伝わらない

 

何を見ても 何を聞いても

何を思っても 何を言っても

 

何も

 

言葉は

 

想いは

 

言えない

 

どんな言葉も違う

いつも違う

どこまでも違う

こうじゃない

そうじゃない

とまらない

 

 

言葉は 

言葉は

言葉が

 

あるのに

 

言葉は 

 

なんだ

 

口から出たとたんに変わる 

耳に入るときに変わる

いつも役に立たない

 

心は映せない

本当のことは誰も言えない

 

もどかしくて もどかしくて

たまらない

 

 

そうなんだよきっと

 

吐き出したもの

こぼれたもの

飛び出したもの

 

それが言葉だろう

 

綺麗な便せんになんか包まれない 

 

壁に投げつけた泥だ

 

水に浮かんだ落ち葉だ

 

それで君がどう思うかだろう?

 

 

言葉は

 

いびつで

 

醜くて

 

不格好で

 

棘だらけ

 

いつも

 

 

でも僕は言葉に恋をした 

だから僕は言葉に恋をした

彗星

よだかは彗星になった

どうしようもない

悲しみの果てに

 

よだかは彗星になった

独りぼっちで

醜い姿で

 

でも彗星になった

美しい燐光に包まれて

飛び続けた先に

 

空をなぞる一筋の白線を見ながら

夜風にささやかれながら

誰もいない丘の上で

僕は反芻していた

 

どうしてよだかは彗星になれたのだろう

どうしてよだかは光になれたのだろう

どうして

どうして

僕の心はよだかを羨むのだろう

 

よだかを星にしたのは

よだかの心だったと思う

悲しみに冷え切った心を

飛び続ける理由にして

 

心の赴くままに飛べば

僕も彗星になれるだろうか

飾らない美しい心を

持っているだろうか

 

この世界は丸裸にする

心を掘り起こす

そして変える

自然の姿に

 

僕らはみんなきっと

彗星になれる

悲しいことがあっても

輝る思い出にできる

 

誰も憎まない

誰も嫌わない

そんなのは人じゃないけど

 

よだかの様にはいかないけど

 

よだかは彗星になった

僕らはまだ石ころだけど

流星のひとかけらくらいなら

なれる気がする

 

この世界なら

そんな気がする

黄昏れ特急

黄昏れ特急で どこまでも行こう

あてはないけど ここではないどこかへ

 

気のすむまで 遠く地平線

沈まぬ夕日 覚めぬ暁

 

線路に落ちた影 ひとつだけ

流れる枕木 いつまでも

 

どこかに行きたくて 行先は決めずに

暖かい日差し 包まれて

 

考えて 思って 悩んで 耽って

泣いて 笑って 眺めて 眠って

 

いつも何か間違っている気がして

いつも何か勘違いしている気がして

いつもここにいてはいけない気がして

いつもあなたといていいのかわからなくて

 

叫びだしたいような日常から

浮かばれないような仮想から

 

逃げるように

忘れるように

 

黄昏れ特急で どこまでも行こう

いつかまた どこかで

3倍

Put your hand on a hot stove for a minute, and it seems like an hour.Sit with a pretty girl for an hour, and it seems like a minute.

 

熱いストーブの上に1分間手をおいてご覧なさい。1時間ぐらいに感じられるでしょう。可愛い女の子と一緒に1時間座ってみなさい。1分ぐらいにしか感じられないでしょう。

                        アインシュタイン

 

1日が過ぎるのはあっという間だけど

1日の密度は3倍濃くて

 早いのは時間だけ

経験も思考もゆっくりと流れていく

 

どんなに離れていても

同じ世界にいれば存在を感じられる

息遣いすら感じられる

表情さえも幻想する

空間はなくなった

時間は止まった

 

心が触れ合うこの世界に

距離は意味を失った

思考すらも置き去りにして

想いは加速し、感情はあふれる

そして受け止めてくれる人が隣にいる

 

きっとうれしさも3倍だろう

楽しさも3倍だろう

安らぎも3倍だろう

心に占める貴方の存在も3倍だろう

 

でも多分悲しさも3倍だろう

寂しさも3倍だろう

不安も3倍だろう

心にぽっかりと空いた穴も3倍だろう

 

それは仕方のないことだけど

 

でもこれだけは知っている

二人が出会った輝きが3倍なこと

寄り添う二人の愛おしさが3倍なこと

それを見る自分も3倍うれしくなっていること

 

たとえそれがどんな結末になろうとも

世界が3倍の時間で押し流していくだろう

  

3倍の想いを、3倍の言葉で

もし自分に大切な誰かができたなら

わたしもそれができるだろうか