彗星
よだかは彗星になった
どうしようもない
悲しみの果てに
よだかは彗星になった
独りぼっちで
醜い姿で
でも彗星になった
美しい燐光に包まれて
飛び続けた先に
空をなぞる一筋の白線を見ながら
夜風にささやかれながら
誰もいない丘の上で
僕は反芻していた
どうしてよだかは彗星になれたのだろう
どうしてよだかは光になれたのだろう
どうして
どうして
僕の心はよだかを羨むのだろう
よだかを星にしたのは
よだかの心だったと思う
悲しみに冷え切った心を
飛び続ける理由にして
心の赴くままに飛べば
僕も彗星になれるだろうか
飾らない美しい心を
持っているだろうか
この世界は丸裸にする
心を掘り起こす
そして変える
自然の姿に
僕らはみんなきっと
彗星になれる
悲しいことがあっても
輝る思い出にできる
誰も憎まない
誰も嫌わない
そんなのは人じゃないけど
よだかの様にはいかないけど
よだかは彗星になった
僕らはまだ石ころだけど
流星のひとかけらくらいなら
なれる気がする
この世界なら
そんな気がする